曲名:不透明の証明
2020年春の新作から1曲を紹介@@
会心の出来。
1. 楽曲紹介
【曲名】:不透明の証明
【サークル】:創作堂さくら紅葉
【作編曲】:やっすん さま
【作詞】:sioborn
【公開日】:2020年春M3(2020/3/1)予定
【楽曲Link】:現在クロスフェードで部分的に視聴可能です。
2. 歌詞
僕を映した 硝子の小瓶に
黒い線が 螺旋を描きながら
融けてゆく
<僕が君を嫌いなように>
<君が僕を嫌いなように>
<僕は僕を嫌いであり>
<君は君を嫌いだろう>
君を映した 硝子の小瓶に
白が混ざり 綺麗な色をして
嫌いだから その証明が
透明の存在を 否定してゆく様で
Dis-Entropic Desire
相反する相似な色を
交ぜ合わせ
煽情ごと 深く染めて
不可逆だって構わない
その素敵な色を
奪わせて
やがて朝日が昇るまで
君を満たした 硝子の小瓶が
僕の手から 零れて落ちる音で
目が覚めた
<3色を255に近付けてゆく>
<3色を0に近付けてゆく>
<そうして僕は何色になるのだろう?>
<そうして君は何色になるのだろう?>
君を満たした 硝子の小瓶は
今は淡く 朝日を浴びて とても
愛おしくて
<透明な色など存在しないことは>
<存在する色は透明でない証明である>
<透明人間の僕は君の色を透過する>
<君の色は透明人間の僕を透過する>
<僕は僕を透過する君の色を見ていた>
<僕の色は僕を透過した君の色だ>
いつか 言い出せるから
真直ぐで透明な 思いを
君だけに 伝えたい言葉
罅だらけの「さよなら」とは
違うけど 心を込めた
「ありがとう」
振り返らない
二人を彩った足跡
気付かない 振りをして
笑い合う あの日々を
Dis-Entropic Desire
相反する相似な色を
交ぜ合わせ
愛情ごと 深く染めて
不可逆だって構わない
その素敵な色を
奪わせて
やがて硝子が割れるまで
3. 作詞背景
音楽サークル「創作堂さくら紅葉」さまが制作している音楽×音声劇作品
「君は朝日の色泥棒」の挿入歌です。
登場する主人公格の男の子の心情の動きを歌詞にしました。
4. キーワード/キーフレーズ
”Dis-Entropic Desire”
(多分)造語です。 完全可逆過程への願望。
・濁った筆洗い水から元の色達を完全に分離して取り出せる感じ
・よく混ぜた水割りを酒と水に戻せる感じ
・50℃のお湯を0℃の水と100℃の熱湯に分ける感じ
しかも一切の外的入力無く、自然に、自由に。
”不可逆だってかまわない”
Dis-Entropic Desire の対として絶対入れたかった一言。 建前と本音的な。
経験的に、”逆”という言葉を上手く入れられた歌詞は良作になるジンクス有
”硝子(の小瓶)”
「君は朝日の色泥棒」の格となる要素のため多用しました。
5. お気に入りポイント
全部。原作設定と自己解釈とのマッチングが高く、
過去イチで会心の出来栄え。これダメだったらもう作詞やめます(割とまじめに)。
加えて、
・隠喩暗喩をたくさん入れられた
・かとなく気持ちよく韻を踏んでいる所が多い
・歌詞内の抽象表現と物語展開がきれい
てな感じで、やりたいこと(=やれること)全部突っ込めました。
歌詞中<>の部分(セリフ部、ポエトリーと呼ばれてるそうです)は初挑戦でした。
当然How to みたいなものは僕の中になかったので、とりあえず10分位で思い立った
文章を羅列したら、台本の原作さんに好評価を頂けたので気に入ってます。
確かに、
<透明な色など存在しないことは>
<存在する色は透明でない証明である>
ってわりと詩的でかっこいい気がする。偶然の産物。
6. 心残りポイント
サビの歌い終わりが全部「で」の d e - になってしまった...
伸ばす音としてはあまり好きじゃないので回避したかったのですが、
表現等の絡みで他に上手い言葉が無くダメでした。くやしい。
7. まとめと所感
あまりに会心の出来なので、歌詞中の仕込みを細かくここに赤裸々に書こうと
思いましたが、
・曲(オケ)がとても素晴らしい
・歌唱(Voさん)がとても素晴らしい
ので、蛇足になるためやめます。
「不透明の証明」は他意無く本当に良い曲だと思います。
是非是非フル版を手に取って頂き、御視聴下さい@@!